ホットクロスの向こう側

こちらはチョコ生地バージョンの試作。伝統のスパイス効いた生地よりこっちが好きな人も。

ホットクロスバンズ。

1日でも早く売り始めたい経営陣。僕らにかかるプレッシャーも日に日に増してくる。ホットクロスバンズはこの時期のNZのパン屋にとって大きな利益をもたらす重要アイテムなのです。

昨年と同じレシピはダメなのかというところだが、

天然酵母リエビトマードレの状態は毎日微かに変化していて、昨年と同じレシピが機能しなかったところから毎日の格闘が始まった。

中種の配合を変え、

「ちょっと酸味強すぎ」と言われたら、

種に限らず生地に酸度を与える要素を絞り込みその分量を調整したり、

「もっとボリュームを」と言われたら油脂やフルーツを減らしたり。

課題であった、大きな型で焼く中央部分の生地の腰折れを防ぐために、より多くの熱を伝導させれば良いんじゃないかと思いついて、板金屋さんに特注の仕切り板を頼んでみたり。。。

「仕切り板できたぞ〜!今から持ってく!!」とボスが運んできてくれた秘密兵器


ホットクロスバンズの向こう側が見えるんじゃないかというくらいあらゆる策を講じて、毎日生地と相対して、結果としてさまざまな角度からデータを得る。
自分の店でやるならここはこうするな、とふとした時にイメージしてみたり。(雇われ職人として働くときは常に自分の将来の店に置き換えて考えてみることは大切だと思っている。忙しい時にこそ!)

毎日毎日のトライ&エラーと、落とし所を探り続けて、なんとか店売りまでこぎ着けた。

これからイースターが近づくにつれ増えていくボリュームにどう対処していくか?という課題は残されているけど、ひとまず山は乗り越えた。来週からは毎日製造していくためのトレーニングが始まります。

レーズンの処理は中心まで火が通ったら風に当てて余熱で柔らかくなりすぎないようにしている

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