8月20日~21日、友人がNZバリスタチャンピオンシップに出場するので、ウェリントンまで観に行ってきました。観れたのは1日目だけでしたが、危なげなくTOP 4に選ばれ、ミルクビバレッジコーヒー部門で1位も取り、翌日の決勝戦に進みました。
そして、見事に、優勝しました。
出場者に与えられるパフォーマンス時間は15分。
その間に、プレゼンをしながら3種類のコーヒーを作り(エスプレッソ、ミルク、シグネチャー)、8人のジャッジが採点をします。
友人の出番ではこちらまでドキドキしながらも、終始堂々と、自分のパフォーマンスをやりきっていました。
出場者みなさんのプレゼンはどれもが素晴らしかったです。
チャンピオンシップに出てくるバリスタの方たちは、オリジナルのレシピを考え、台本を書き、途方もない練習量を積んで、本番に臨んでくるのは想像に難くありません。
昨年の優勝者は9ヶ月を準備に費やしたと言っていたくらい、出場者はこの大会にすべてをかけてきます。仕事以外の時間もチャンピオンシップの準備や練習に充て、さまざまな犠牲を払ってこの舞台に立っているからこそ伝わる緊張感。
コーヒーの精鋭たちが本気で作るコーヒーなのだから、それはもう、どれも格別美味しいものなのは間違いない。
しかしながら、コーヒーを作る以外に、もっと大きな、もっと大切な観点があるんじゃないかと全て見終わって思いました。
「伝えたいことがあるのか、どうか。」
コーヒーを作る技術にまして、与えられた15分間で何を訴えるのか。
僕たちは過去にも友人の淹れてくれたコーヒーを飲ませてもらって、いつでも一貫性があって美味しいし、まさにプロ中のプロだということは分かっていました。
1日目の表彰式前には、コロナのせいで傷んだホスピタリティ業界の現状のこと、NZ国境オープンと同時にごっそり抜けてしまったバリスタの人材流出のことなんかを危惧していて、それを聞いた時に、友人のパフォーマンスが突出して心に響いてきたのは、そのメッセージをも踏まえたステージであったからこそだったんだと、腑に落ちました。
「自分ももっと頑張らないとなーと思った」と伝えると
「そう思ってくれただけで、今回出て良かったよ。」
と言っていました。
「コーヒーを作る仕事は素晴らしい」
勝敗を超えて、彼女が伝えたメッセージは多くのバリスタだけでなく、一般の人たちの心に刺さったと思います。
僕自身も、自分がパンを焼くことで、何を伝えたいのか、自分のパン屋のあるべき姿をもう一回心をまっさらにして考えなければと思うきっかけになった1日でした。
来年、友人はギリシャのアテネで行われるバリスタチャンピオンシップ世界大会に出場するそうです。
今度はどんな歌詞を書き上げてくれるのか、今からワクワクしています。
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