料理通信(2014年7月号)の特集に書かれているフランス・ノルマンディーの農家兼パン屋を営む、セルジュさんの言葉です。
農家だからこそ発信できる強力なメッセージ。
料理人たちの美意識や技巧を語る場で、それを根底から否定しかねない(笑)、しかししかし、この言葉にハッとさせられる人もまた多いのも事実だと思います。
彼の言葉は、さらなる美味しさを求める人間の欲望への静かな警告なんだろうと。
農家さんは、自分の畑で採れた作物の本来の価値を、誰よりも知っている。
ワイン作り研修で体験したことを思い出します。収穫したてのぶどうをその場で搾ったジュースは、何かを足す必要などまったくない、自然そのものの旨さがありました。

今の時代、「美味しさ=差別化」となりがちで、過剰な演出や加工に走りやすい。
パンづくりでも、「もっと美味しく」と手を入れすぎると、原型はなんだったのか?このパンはいったいどこを目指しているのか?と、自分で作っておきながら、こだわりが暴走して、気づけば “味のマッチョ化”に陥っている。
パンも人も、余計なことはしなくて良いのかもしれません。
こねすぎれば、かたくなる。
盛りすぎれば、軽くなる。
焼きすぎれば、焦げる。
やりすぎて台無しにならないように、パンも人もシンプルを目指していきたいこの頃です。














