僕の職場にはドイツ、イタリア、フランス、スイス、イギリスと、それぞれパンが主食の国の人たちがいる。
ヨーロッパ人とパン作りをしていると、彼らには何千年と小麦粉をこねてきた人たちが先祖にいて、オリジナリティを出そうなんて気はまるでなくなる。
そんな彼らから日々学ぶことは、
フランスからはバゲットを
ドイツからはライ麦パンを
イタリアからはフォカッチャやピッツァなどをお借りして、当たり前のように毎日毎日、作っていけばよい、ということだ。
いま僕たちが食べているいわゆる"クラシック"なものは、歴史の中で幾度も求められては消えかけたりという評価を乗り越えて、生き残ってきたはずである。
そういった食べ物がこれから10年後、20年後に消えているだろうか。
独自色や流行りそうな商品を出さねば見向きもしてもらえない風潮はつらい。。
必要なものは、もう、何千年のパンの歴史の中で先人たちが生み出してくれている。
流行りに惑わされたり
新しいものを生み出すよりも、
より腕に磨きをかけて、
伝え方を学んで、
発酵やアレルギーの勉強もやって、
多くの人に食べてもらえるように、
この借り物競走を真剣に走り切れば良いのだ。
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