忘れられない苦い思い出がある。
3年前、パン屋4店舗目のオープン日のこと。
朝職場に来ると、ボスが
「Masa、バゲットなんかおかしい。昨日イースト入れた?」と聞いてきた。
一瞬で血の気が引いた。250本分、約100キロの生地がボツになってしまった。
この新店舗でオープニングから働いていたスタッフ、ミッチー。今は別の店舗でマネージャーをしている。いつも美味しいコーヒーを淹れてくれるんだけど、僕はいまだにミッチーに会うと、このバゲットにイースト入れ忘れ事件の苦い記憶がよみがえるのだ。
そんなミッチー。
実はパン屋で働くかたわら、ライフワークとして3人組でバンド活動をしている。そして、なんと、先日ニュージーランドでレコードデビューしてしまった。
昨夜はデビューライブに行って、生演奏を聴いてきた。
普段、仏様もびっくり、超がつくほど温厚で謙虚な人がスティックを持ってドラムマンに変貌する姿。パン屋で生活費を稼ぎながら、本業のミュージシャンではレコードデビューにまで至るという、素晴らしい二足のわらじだなと思った。
バンドはこちら。→ OFFICE DOG
こう言った形でパン屋を「ライスワーク」として使うパターンは実はかなり目にしてきている。午後3時には閉店するのでその後の時間は自由に使って、本当にやりたいこと、夢に近づく時間にあてる。何歳で何やってもどんな働き方しても自由、this is New Zealand。
ミッチーのバンド活動、これからウェリントン、クライストチャーチ、ダニーデンをツアーして1月にアルバム発売。パン屋との掛け持ちレベルの変化も注目。これから楽しみです。
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