18度の不思議

オーツ麦を炊いて生地に練り込んだサワードウ。

仕事終わりに、余ったパンでサンドイッチを作ろうと言って、スライサーに通したら、刃の断面に生地がへばりついていた。

過発酵気味の生地。。

あー、サワードウチーム苦労してるな、、と思った。

夏場の厨房は、オークランドでもゆうに30度を超えるので、ミキシングを含めて生地温の管理が難しくなる。

パンチームでオーブンを担当していた時、夏場は確かに発酵のスピードにオーブンの回転を合わせるのに苦労していたのは確かだけれど、春と秋は逆にドンピシャのタイミングで窯入れできる日も多かった。

土曜に焼く1000個のサワードウ、バゲット600本とかも、常に追われている感じがする夏のパン焼きより、温度の急激な変化が少なくて、一定の温度が長く続く春・秋は難易度が下がって気分よくパン焼きできる感じがする。

調べたら、オークランドの春と秋の平均気温、18度。

僕たちがパネトーネやホットクロスバンに使うリエビトマードレに使っているホイロの設定温度が18度。

まだ冷蔵庫がなかった時代、イタリアではパン職人は年中温度が変わらない地下の物置き小屋で発酵種(ビガ種とか)を管理していた。そしてその地下も年間通じて18度くらいをキープしていたと思われる。(むりやり)

極めつけは、サワードウムーヴメントで一躍世界のブレッドベーカーたちの情報源となったサンフランシスコの年間平均気温が18.3度。

最近気づき始めたけれど、この18度付近の温度帯を意識して製パンに関わると良い結果が得られることが多いです。

僕たちが心地よいと感じる気温は酵母にとっても快適なのかもしれません。