キーウィはよく空を飛ぶ

オークランド空港で日本行きのフライトを待ちながら、行き交う人たちを眺めていて、何かが腑に落ちた。

“ キーウィはよく空を飛んでいる。”

ニュージーランド人のことを、この国の固有種・飛べない鳥にちなんで“キーウィ”と呼ぶけれど、皮肉なことに、人間のキーウィたちはめちゃくちゃ飛ぶ。
国内も国外も関係なく、あっちこっちへ旅している。

家族に見送られてハグしてる人、でっかいバックパックを背負ってゲートへ向かう若者。
空港にいると、そういう“旅する空気”をひしひしと感じる。

実際、僕のまわりにも旅好きが多い。
それも、ただの観光じゃなくて、住んだり、働いたり、人生ごと移動してる人たち。

たとえば、ベーカリーで長年ストアマネージャーをしていた元同僚のエミリー。
5年以上勤めたあと、ついこの前イギリスに移った。
おじいちゃんとおばあちゃんがイギリス人で、ルーツをたどるような、自然な流れだった。
最近知り合ったバリスタのアイザックは、半年後には建築を学びにミラノへ飛ぶ予定。
友人夫婦のジョンとジェイミーは、メルボルン、コペンハーゲン、東京と渡り歩き、いまはオークランドで2軒目のレストランを回している。

ルヴァンもトランクに忍ばせて・・・

人間はそもそも、移動しながら発達して進化してきた生きものだそうだ。
その本能を、キーウィたちは今もちゃんと持ってる気がする。
もちろん、旅先で根を下ろして、そこで花を咲かせていく人もいる。
でも共通しているのは、「動くことで、自分を深めていく」姿勢だ。

世界を見て、何かを吸収して、それをまたこの国で生かす。
それがこの島国らしい生き方なんだろうと思う。

飛べないはずの名前を持ちながら、ちゃっかり空を使いこなすキーウィを見習って、自分もこの旅のフィールドワークをしっかり楽しんでニュージーへ持ち帰ろうと思います。