ピノ・ノワールの収穫が佳境に入ってきたところで、同じ赤ワイン品種のガメイとカベルネ・フランも収穫のスタートを迎えました。 ピノ・ノワールほどの作付面積ではないものの、両方ともブドウの粒を食べてみれば格別に美味しくて、このまま買って帰りたいくらいの感動があります。
作付面積が小さいということは生産本数も限られているということです。飲ませてもらったガメイは、果実の凝縮感が圧倒的にすごい。黒こしょうや黒糖のような味わいも感じられました。
そして、こちら↓がカベルネ・フラン。
カベルネ・フランは実のつき方がルースです。湿気がたまりにくいため、病気にもかかりにくいのかなと思ったり。皮も厚くて雨も染み込みにくいのでしょうか?
この品種は、ピーマンのような青みを感じさせるピラジンという物質を含んでいて、皮を噛むとほのかに感じることができます。日本では、このピラジンの青っぽさを飛ばすためにブドウ周りの葉を落とし、日光をガンガンに当てたりすることもあるようです。(「ピラジンを怖がってワイン作ったらダメだよ」byオーナー佐藤さん。)
ちなみにこのカベルネ・フラン、ワイン用ブドウの数ある品種の中で、おじいちゃん的立ち位置にあるらしいです。世界で最も人気のある赤ワイン、カベルネ・ソーヴィニヨンの父。 古典的なものづくりや伝統に弱い僕は、”おじいちゃん” とかいうワードにグッときちゃいます。 これをパンに例えたら、きっと、「パン・ド・カンパーニュ=田舎パン、農夫のパン」、になるんだろうと思います。 どっしりしていて、揺るがない。古いがゆえに、古くならない。
さらにちなみに、このワイナリーでカベルネ・フランを植えるまで、佐藤さん夫婦はこのブドウのことは触ったことはおろか、見たことすらもなかったそうです。周囲には反対されたりバカにされたりしたこともあったそうですが、カベルネ・フランの本場、フランスのロワール地方とよく似た気候のここ、セントラル・オタゴならばきっとうまくいくはずだと信じて栽培して、2019年に最初の収穫を終え、無事にワインにすることができた時はガッツポーズしかなかったと話していました。
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