パネトーネまでの道〜アルコール発酵で悩む

パネトーネとバゲットの関係性・・?

職場のリエビトマードレも僕が自宅で管理しているリエビトマードレも、ボリュームが出にくいという問題を抱えていた。発酵力が足りない感じ。

数年前に職場でパネトーネを作り始めた時、イタリアからMolino Pasiniの小麦粉を輸入して最適なものを選んで使っていた。それが翌年から輸入できなくなり、ニュージーランド国内で手に入るものから選ばざるをえなくなり、レシピの調整に迫られた経験がある。それくらい、発酵時間を非常に長くとり、それが製品にクリティカルな特性を与えるパネトーネ作りには小麦粉選びには慎重にならざるをえない。

発酵力を改善させるためにあれこれ思い悩んでいたとき、何となくバゲットの作り方が頭によぎった。
バゲットの材料は、小麦粉、塩、水、酵母。塩を除けば、リエビトマードレの材料とほぼ同じである。
ただ、バゲットには「モルト」が入る。
酵母が糖を食べてガスを出し膨らむから、パンになる。だけどバゲットには砂糖などの糖が入らないため、そのままでは酵母が食べるものがない。ここで、モルト=麦芽を入れて、その中にいる酵素に働いてもらい小麦粉のデンプンを糖に変える。これで、酵母のエサができ、きちんと発酵した良いバゲットができる。

リエビトマードレにモルトを入れてみるか・・?
この作戦を思いついたとき、絶好のタイミングでボスに呼ばれた。

「週末いつもピザ作ってんだけど、こないだ生地に砂糖入れ忘れた。そしたら案の定、発酵しなくて失敗だった。うちのリエビトマードレ、砂糖入れたら改善するかもしれない。どう思う?」

リエビトマードレに砂糖を入れたら完全に別の旅になってしまうことはボスも分かっていて、研究室に持ち込んで解析とか必要な案件である。

そこで、自分のスターターにも同じことが起こっていて、モルトで改善できる可能性の話をしたら、ボスも賛成してくれた。 まずは、職場で管理しているリエビトマードレにモルトを入れて様子をみることに。

目が詰まっていたのが、少しずつ開いてきた様子。

上に上がる力も少しずつついてきた。

もう少しだけこのまま種継ぎをしていって、リエビトマードレのコンディションを整えていきます。クリスマスまであと2ヶ月と少し。。。